プロジェクトProjects




















岩内中央学園
2026
北海道岩内郡岩内町
構 造:鉄筋コンクリート造+鉄骨造+鉄骨鉄筋コンクリート造
階 数:地上3階
延床面積:14,135㎡
金箱構造設計事務所( 構造設計 )
総合設備計画( 設備設計 )
プラッツ+GTアドヴァンス( 外構設計 )
KMD( サインデザイン協力 )
近年北海道では人口減少・少子化を背景に義務教育学校化を進める自治体が多い。複数の学校が集約する義務教育学校は、施設規模が非常に大きくなり事業費の増大が課題となり、既存建物を活用し事業費圧縮を図るケースが徐々に増えている。
本計画は、北海道岩内町の築50年の既存小学校を活用し小中4校を義務教育学校とした計画である。町の歴史を刻む既存の校舎と体育館を活用しコンパクトに増築を行い、今日的な教育環境に再生させることを試みたアダプティブ・リユースの学校である。
敷地は岩内岳から続く丘陵地と日本海側の市街地の間に位置する小高い台地にあり町役場も近い町の中心地にあたる。増築にあたっては、周辺環境に位置する建物群との調和や連続性を意識した群造形としてのボリューム配置を意識した。シンプルで特徴的な幾何学造形のボリュームが増築のエレメントを成す。具体的には、教室が入る既存校舎と同一グリッドのブロック、光と風を取り入れる屋根のプリズム、階段塔屋が入るタワー、児童生徒を風雨から守り町民を迎え入れる大きく浮遊したプレート、武道場が入り体育館の落雪から広場を守るロック。更にそれらのボリュームと前面道路の対面の寺院の大屋根に囲まれたボイドは新しい学校の中央広場となる。周辺環境や新旧の歴史を並列化する群造形により、地域のコンテクストと連続する新しいまちの風景を生み出した。
既存校舎は旧耐震基準の建物であったため、既存建物への構造遡及を避けるため分離増築に徹した。また、エキスパンションで2棟に分かれていた既存校舎は、鉄板や通しボルトで縫い合わせる一体化補強を施し耐震性を向上させている。上下階の視線のつながりや風や光を導くため既存の床、壁の撤去や一部の構造補強も行っている。その荒々しい痕跡やディテールはあえてそのまま残し空間を特徴づけるデザインとした。
義務教育学校は、発達段階に合わせた多様な学習空間づくりが必要となる。本計画では、学年に準じた3つのゾーンを計画した。既存校舎、増築校舎ともに、グレートーンのRCフレームにアルミガラスクロスの直天井とし明るさと解放感を確保した上で、異なる色やデザインの大きな什器群を点在させ年齢ごとに特徴を持たせた学習環境を作り出した。また、港町の産業を支えてきた地元企業と協働したオリジナルテントサインで場所毎の個性をつくり空間の変化を生み出した。