プロジェクトProjects
安平町立 早来学園
2022
北海道勇払郡安平町
構 造:鉄筋コンクリート造+木造・鉄骨造
階 数:地上2階
延床面積:7,089㎡
山脇克彦建築構造設計( 構造設計 )
総合設備計画( 設備設計 )
キタバ・ランドスケープ( 外構設計 )
設計事務所ゴンドラ( 水廻設計 )
教育環境研究所( 教育環境計画 )
チーム・ラボ( ICT環境設計 )
北海道胆振東部地震で被災した中学校の再建計画としてスタートし、中学校と3つの小学校を統合して開校した義務教育学校である。日常的に住民が活用できる地域の拠点となることが求められた。1学年1クラスの9年制を4・3・2制に分けた小規模校で、7年生以降は教科教室型が採用された。
旧小学校に隣接するあたらしい敷地には自然豊かな小高い丘や湿地帯があり、この場所の特徴から建築の骨格を導き出すことを試みた。湿地帯は観察の庭として残し、丘も手付かずのままとするため、丘を抱くように2階建ての校舎棟を配置して丘と向き合う教室を連続させた。また生活道路に面して、大、中アリーナ、図書室などの住民が利用する機能を配置し、隣接するこども園と連携しながら地域の中心となる佇まいを目指した。
校舎棟は同じ空間を繰り返して配置することを避け、平断面形状や屋根の高さ、開口部や光の状況の違いによって場所の個性をつくり出した。教室に沿って南北に延びる光のプロムナードは、RC造部分の上に木造小屋組を載せて吹抜けを通して一体化させた。ここでは東西両面の様々な高さのハイサイドライトによる間接光や、東面教室の窓から入る低く柔らかい光が交錯し、隣接する教室に回り込む。一般的な南面教室にみられる日射遮蔽や暑さ対策を回避しつつ、午前と午後で光の状況が大きく変わり時間の移ろいを感じることができる。
北海道赤レンガ建築賞
新建築2023年11月号
JIA建築年鑑2023-2024( 日本建築家協会優秀建築選 )