厚沢部町認定こども園
Assabu Center for Early Childhood Education and Care

2018
北海道檜山郡厚沢部町

構  造:木造
階  数:地上1階
延床面積:1,480㎡

海老名構造研究室( 構造設計 )
アトリエブンク + アルスゼータ( 設備設計 )
アトリエブンク + ジーティーアドバンス( 外構設計 )

築50年を迎えた3つの保育所を統合し、町内唯一となる認定こども園をつくるプロジェクトである。若年層の人口流出が課題となる中、子育て世代の定住・移住促進に寄与し、地方創生への足掛りとなるような、地域の個性を持つ佇まいを求めた。
厚沢部は、江戸時代から林業を生業としている町である。豊かな町産木材の活用を与条件に木造在来工法で計画を進めた。山の裾野にある敷地は、南下がりの緩勾配により眼下に市街地や小高い山々を望むことができる。土地の高低差は、南面保育室のテラスで如実に現れ、園庭へのアプローチは大階段を経由することとなる。全体高さを抑えた外観は2階建のイエをコレクトした佇まいでひとりひとりの居場所であることを示唆しつつ、背景の山々に溶けこむような印象を与える。
一方、内部は在来木造でありながら、CH5.8mの高さを持つ。ハイサイドライトからの光が、1日の大半を過ごすこどもたちに移ろいある光の風景をもたらしている。冬期の屋外活動が制限される時期においても、こどもたちが自然光で十分に活動できる開放感がある。平面の構成は、遊戯室の廻りに保育室を配するコンパクトな形式であり、大きな廊下は、単なる移動専用空間ではなく、全力で走れるひとつの遊び場となっている。職員室は中央に置きこれを取り巻くように保育室やバックスペースを配置している。任意準耐火建築物( ロ準耐1号外壁耐火 )による防火壁や面積区画の免除が、先生の見通し確保と移動距離短縮を可能とし、先生の働きやすい環境を整えている。
町産材のカラマツ、トドマツ、スギの特性を適材適所で使用し、汎用性のある材長、サイズのみを採用するための構造的な工夫を各所で試みた。厚沢部町の恵みを存分に活かし、アイデンティティの原風景として記憶に残るような佇まいを目指した。

サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)採択
ミキハウス子育て総研 『子どもを通わせたい認定こども園』モデル園認定