奥尻中学校
Okushiri Junior High School

2017
北海道奥尻郡奥尻町

構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上2階
延床面積:1,171㎡

札幌構造設計事務所(構造設計)
アトリエブンク+アルスゼータ(設備設計)

平成28年度の道立奥尻高校の町立移管に合わせ、奥尻中学校と青苗中学校を統合する中高一体型の学校集約計画である。各学年1クラスの小さな校舎を既存高校と渡り廊下でつなぎ、中学生徒は高校の特別教室や体育館を使用する。
中高一体型の場合、中学校独自の環境は保ちにくい。そのため、1階を管理フロア、2階を教室のみの生徒のフロアとし、中学生にとっての「居場所」づくりに配慮した。
2階の中廊下は3m幅を確保し、上部に北面ハイサイドライトを設けるほか、机椅子や書架を配置することで積極的に利用できる「まなびのみち」として計画した。図書室とPC室機能を持ち合わせ、生徒たちの「居場所」として広く活用されている。
1階は廊下の突き当りを採光させた落ち着いた空間である一方、2階は「まなびのみち」を中心に、開放的で明るい空間が広がる。1階と2階をつなぐ幅4mの大階段は、壁一面のカーテンウォールにより、奥尻の緑豊かな環境を取り込む。これらにより、光の質に変化が生まれ、小さな生活空間の中でも変わりゆく毎日を感じることができる。
教室は、南面窓と「まなびのみち」上部北面ハイサイドライトの2面採光とし、自然な明るさと通風は快適な学習環境を作っている。一方、風が強い地域のため、夏期の海風と冬期の山風を遮るよう、東西妻面は極力開口させない計画とした。
また地域木材の活用を積極的に行った。木・アルミ複合サッシと内部建具には道南杉を使い、外壁の下見板貼は奥尻産の杉を用いて、子どもたちが地域の森林資源を身近に感じられる空間とした。